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証明の読み方・考え方 読書メモ 第11章

 

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証明の読み方 11章  特殊な証明法

 

Bが特殊な形をしているときに、それに対して決まった証明法がある。


1.一意性の証明法

まず、求める対象が存在することを示す。これが、構成法か背理法を用いて示されたならば、次にすることは一意性の証明である。
そのための方法には2つある。

一つの方法は、ある性質をもった対象で、それに対して、あることが成り立つようなものが2つあると仮定する。そのようなものが実際には一つしかないのならばその対象のもつある性質、それに対して成り立つことや仮定Aに含まれる情報を使って、その2つの対象が実は同じもので、一致することを示す。通常は、前進後退法を用いる。


第二の方法、ある性質を満たす対象でそれに対してあることがなりたつような2つの異なるものが存在すると仮定する。これは多分ありえないことなので、ある性質とあることが成り立つことと仮定Aのもつ情報とそれに本質的に2つの対象がことなることを用いて、矛盾を導き出く。

 

2.部分否定法
結論Bが「Cが真であるかまたはDが真である」という形の場合に必要である。つまり、「AならばCまたはD」が真であることを示したいときに用いる。
前進後退法によってAが真であると仮定して、Cが真でないという仮定を付け加えたとしよう。
このとき、明らかにDが真であるということになる。
そこで部分否定法ではAが真、Cが偽であると仮定してDが真という結論を導く。
Aが真で、Dが偽と仮定して、Cが真であるという結論を導いてもよい。

 

3.最大最小の証明法
最大、最小に関する問題のためのもの。

(1)Sの全体がxの右にある min{s| s ∈S} ≧x
(2)Sの一部がxの左にある min{s| s ∈S} ≦x
(3)Sの全体がxの左にある max{s| s ∈S} ≦x
(4)Sの一部がxの右にある max{s| s ∈S} ≧x


基本的な方針は、与えられた問題を限定詞を含むこれと同値な命題で置き換えること。
そうすればその限定詞の種類に応じて抽出法や構成法を使うことができる。

 

メモ
結論Bが特別な形をしているときに用いるとうまくいきやすいという方法が紹介されている章です。高校数学でも、一意性の証明と最大最小の証明はよく問われていると思います。