kyoneco’s blog

教育、数学、統計といったテーマについて考えていきます

歯科治療についてしらべてみた

歯医者さんに通院して治療するのはなかなか大変なことです。虫歯になって、治療すると何回も通う必要もありますし、痛みを伴う処置も受けることもあります。ですから、虫歯にならないことがとても大切だと思います。しかしながら、悲しいことに歯磨きを毎日していても虫歯になってしまうこともあるのです。

そこで、虫歯になってしまう要因とそれへの対策について調べてみました。私はエビデンスを重視しているので、個人の感想や少数の歯科医の意見(開業歯科医のホームページ)といった情報は重要視していません。そこでエビデンスとして容易に参照できるものとして、日本歯科医学会がホームページで公開している歯科診療ガイドラインをまず、みてみました。

www.jads.jp

診療ガイドラインとして60件掲載されています。そのなかでいま知りたい虫歯つまり、う蝕についてのガイドラインを読んでみようと思いました。

う蝕治療ガイドライン第二版詳細版 日本歯科保存学会 2015年6月

2015年発行で8年前ですが非専門家でも容易に利用可能な文献としてはまだ優れています。

 

ガイドラインの冒頭にMI(Mimimal Intervention)を中心理念としているというのが記載されています。要するに必要以上に削るような治療はしないということなのでしょう。う蝕の中には進行が停止または治癒するものもあり、そういう病変は再石灰化療法での経過観察を勧めています。う窩を形成したう蝕のような進行を止められないような病変には最小の介入をと記載されています。冒頭のう蝕への基本方針はFDI(国際歯科連盟)の2002年の声明を引用してあり、このMIが世界的なう蝕治療へのトレンドであることが理解できます。

切削が必要なう蝕かの判断は歯科医による判断が必要であり、一般人が立ち入れるところではありません。ただ、歯科治療の大きなトレンドにおいて「最小の侵襲」が謳われていることは知っておいてよいと思いました。

ガイドラインで永久歯エナメル質初期う蝕へフッ化物塗布が強く推奨されています。引用されているインドの研究ではう蝕ハイリスク患者へ活動性白斑へリン酸酸性フッ化ナトリウム(12300ppmF)を塗布する群(年2回4分間)としない群でしたときには、80%が非活動性となり、3.5%がう窩となったが、塗布しないときは、35%が非活動性となり10%がう窩となったというのです。安価で安全なフッ化物を塗布するだけでう蝕進行が抑えられるのはよいというのは興味深いです。

また、初期活動性根面う蝕において、フッ化物配合歯磨剤+フッ化物配合洗口液の併用は根面う蝕の再石灰化に有効という研究も記載されています。フッ化物の使用はう蝕進展抑制の有用であり、日常的なフッ化物の使用の重要性が理解できます。