kyoneco’s blog

教育、数学、統計といったテーマについて考えていきます

因果推論

最近因果推論の本などを読む機会が多いです。特に、「因果推論の科学」を読んでいるのですが、わかりやすくこれまでの統計に対するイメージががらりとかわる良書でした。

因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか

books.bunshun.jp

 

いままで統計を勉強してきましたが、いまひとつ腑に落ちない部分があり、それについてややもやもやが薄くなってきたように思います。

この本を読んでいて、「統計という学問は因果について排除してきた」という記述が気にとまりました。これまでXとYは関連があるなどの表現で歯切れが悪いなとなんとなく感じていたものが、統計学の因果を排除してきた歴史の部分について読むにつれて、因果関係をはっきりさせないのだから、歯切れがわるくなるのは当然だよなと感じました。

RCTでしか明確に因果について述べることはできないといった風潮があり、これについてはある種の絶望感を与えるものです。RCTは一般に大変な労力や費用がかかるものなので、科学的に重要な結論を出すにはRCTでの結果を待つというのが確かにゴールドスタンダードですが、これだと科学はごく一部のひとが実施できるものになってしまうような気がしていました。しかし、因果推論について学ぶと因果について言語を手にすることで、RCT以外にも因果について言及する方法があるというのがわかりました。これはかなりすごいことだと読んだときに思いました。

因果ダイアグラム、do計算法といった因果について言及するツールについて勉強していきたいと思いました。