kyoneco’s blog

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証明の読み方・考え方 読書メモ 第5章


続きです。

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証明の読み方 5章 限定詞 ー II 抽出法

・「すべての・・・に対し」という限定詞を含む命題を扱うための技法に抽出法がある

・集合の定義特性は、述語の定義が果たすのと同じ役割を果たす
・「あるものがある特定の集合に属することを示すにはどうすればよいか」という抽象質問に対し、それが集合の定義特性を満たすことを確かめることが答えになる


・すべてのという限定詞を含む命題は共通の構造をもつ
・「すべての・・・に対し」という限定詞が現れるとき、結論文は、
{ある「性質」をもったすべての「対象に対して」「あることが成り立つ」。}という形をもつ

・後退過程の途中で「すべての」という限定詞が出てきたとき、その命題が正しいことを示すのに、与えられた性質をもつ対象をすべて求め、これらに対し要求されることが成り立つことを逐一調べるのもひとつの方法である。
・しかし、対象が無限個などの場合にはこの方法がつかえない。

・対象を列挙できないときには、集合の定義特性を用いて解決する。また抽出法を用いてもよい。

 

・抽出法は、与えられた性質をもつすべての対象に対し、要求されるあることがなりたっていることをひとつひとつ確かめる代わりに、それをたしかめるための機能をもった証明機械のようなものと考えることができる。
・証明機械の内部機構の設計法を教えるのが抽出法である

・与えられた性質をもった対象 (入力)→ 証明機械 (出力)→成り立つこと

・まず抽出法によってその性質をもったものを一つ選び、次にその選んだものに対し、要求されることが成り立つということを前進後退法によって証明する

・そうしてできた証明機械はその性質をもったどんな対象に対しても同じ証明を繰り返し行う能力をもつ

・抽出法をもちいるときはいつでも、仮定Aのほかに抽出した対象がもつ性質を前進過程に使うことができる

・「・・・を任意の・・・とする」という表現は抽出法が用いられていることを表す場合が多い

・抽出法は結論が「すべての」という限定詞を含んでいる命題を扱うのに有効な方法である。

・これをもちいるには、まず与えられた性質をもった対象を一つ選び、その対象が与えられた性質をもっていることと仮定Aとから前進後退法によって、要求されることがなりたっていることを示せば良い

 

メモ

すべての・・・とつく結論を証明することについて書かれた章です。

まず、性質をもつ対象を一つ選びます(例えば実数x'とひとつ抽出)。仮定Aを使い、式を変形します。実数のもつ条件を使います(例えば、(x’^2≧0))。そして要求されている性質が満たされていることを示します。ひとつ抽出してきてそれがもつ性質をつかって要求されていることを示すのが抽出法です。