kyoneco’s blog

教育、数学、統計といったテーマについて考えていきます

証明の読み方・考え方 読書メモ 第2章


前回の記事の続きです。

kyoneco.hatenablog.com

 

証明の読み方 2章 前進後退法

前進後退法の概要

・前進後退法は基本的な証明法で、他のすべての証明法のなかで用いられる
・証明のはじめにはまず、仮定Aと結論Bが何であるかを明確に理解する

・問題文からAにあたる部分とBにあたる部分を捉えるようにする

・Bを導くために後進過程をとる

・Aにふくまれる情報を使うのは前進過程による

 

前進後退法の方法

・後進過程は「Bが真であると結論するためにはどうすればよいか」を自問することから始まる

・その問いは抽象的に行い、Bから得られる問いを抽象質問という

・抽象質問を考え、後退過程でそれに答えていく。その過程を抽象過程という

・抽象質問を選ぶときにはAのもつ情報を利用することを考える

・抽象質問を考えたり、その答えるのに行き詰まれば、前進過程をすすめる

・前進過程はAからすすめ、A1という別の表現を導く。これは後進過程にむかうように選ぶ


証明を読みこなす
1.どのような証明法が使われているかみつける
2.書いてあることから証明のための思考過程を読み取る
3.証明の各段階を検証する

 

前進後退法のまとめ
まずBからはじめる。抽象質問を考え、それに答える抽象過程によって新しい表現B1をつくる。B1が真ならばBも真になる。次はB1が真と証明する。同様にすすめ抽象過程でB2をつくる。抽象過程を行うのに、Aが真である仮定をもちいる。うまい抽象仮定がつくれなくなったら、前進過程にうつる。仮定Aから一連の主張を導いていく、後退過程の最後に得た表現を導き証明を完了させる

 

メモ

この章はこの本の最も基礎的で根幹をなす方法である、前進後退法について説明しています。仮定Aと結論Bを問題から峻別し、Bを変形しB1、B2・・・としていきます。このときAを手がかりにします。後退過程が進まなくなれば前進過程に移行します。B1,B2...といった表現にいきつくようにAの表現を導いていきます。そしてA1...とB1...がつながれば証明できたことになります。

よくいわれる結論から考えるということを具体的な行動としてはっきりしめしたものです。証明問題は結論Bからスタートするべきだと明確に述べているのが重要なところです。Bからはじめれば仮定Aをいじくりまわしてわけがわからなくなるようなことがなくなります。こういったことをはっきりいわれたことがある人は少ないのではないでしょうか。一見あたりまえに思えるBからのスタートを意識するだけで証明問題に強くなるように思います。