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授業を活用することの重要性 その4

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授業の構造を最初に解き明かすというのは重要です。この1回の授業がその科目の複数からなる授業のなかでどういった位置づけなのかを知ると理解がすすみます。先読みのところで、構造を把握することについて述べましたが、これは評論文などを読みこなすことと同じようなものです。意味段落間のつながり、主張、同じことの繰り返し、例示、対比といった内容がといったように論理的な構造を抽象度があがった視点でとらえることができると全体を俯瞰することができるようになり、理解がすすみます。

人間の理解というのは、既存の知識との関連性のなかからくるものです。つまり、これまでこういったことを理解して、こういった理論体系ができている。新しく学ぶ内容は、この理論体系のこの該当項目に入る、またはそれと関連性があるといったことを見いだしていく作業といえます。こういった、関連性がかたちづくられていると、新しく学ぶ内容であったとしても、まったく新しい内容というふうにして面くらうようなことはなくなります。また、分野が異なることがあっても理論体系の理解があると同様の論理構造によってそれをとらえることができるため、「同じことをいっている」、「あのことと似ている」というように感じられるようになるのです。これが理解するということです。こういった科目のもつ理論体系全体の理解の構築は一朝一夕にできるものではありません。しかし、地図の大枠をつくるようにこういったことを意識してできるようになると学習の効率が高まります。

 

このような大きな枠組みの理解というのは、授業が始まるまえからも準備することができます。それは、学習のカリキュラムをあらかじめみておくということです。これを手元において何度も見返すというのは有効です。自分がいまどのようなことを学習しているかを俯瞰してみることができるので、学習しているときにこんなにたくさん学ばないといけないと感じることが少なくなると思います。学習内容を把握するというのは、その学習量を把握するということです。「困難は分割せよ」という名言がありますが、それの一つととらえてもらってかまいません。なにも全体像がわからずただただ授業をうけているのでは、無限に多い学習内容に立ち向かっていかないといけない圧迫感のようなものに襲われてしまうのです。しかし、カリキュラムのような学習計画の全体像、つまり全授業における目次を手にすることで学習内容の地図を手にすることができるといえます。学習内容に関するこういったメタ的情報は学習効率をあげるのに役に立ちます。授業においては、予習復習をしなさいといわれますが、予習をするというときに、必要なことは、先生からの解説の前に教科書を徹底的に読み込んで理解するということではなくて、こういう枠組みの確認なのです。

 

ここまでで考察した内容を振り返って、授業を活かす、授業の受け方をまとめます。
まず、授業を受ける前に、カリキュラムをみます。今日受ける授業内容が全体の授業のなかでどういったところに位置するかを確認します。そして授業をうけます。授業開始直前には授業を受ける科目の目次に目を通します。また、当該範囲の教科書の中項目に目を通します。そして、これまでの知識との関連性をすこし考えます。また前日以降に受けた授業内容を振り返ります。このときにはノートを振り返るといいでしょう。授業がはじまればどういった論理で授業が進行していくのかを追っていきます。先生が他の人を当てたときも自分が当てられたものときと同じように考えます。授業中にわいた疑問点があれば書きとめておき、授業後に質問します。授業の途中で手を挙げてとめることを許している先生であればそうします。授業が終われば、休み時間に軽く復習します。見返す回数が多いほど記憶に残るためです。そして次の授業の準備をします。そうして一日の授業がすべておわり帰ったとします。帰ったら、軽く授業の内容を振り返るといいです。思い出される回数がふえるほど記憶に定着します。宿題がでたら帰ってからすぐにやってしまうといいでしょう。学習したときから時間が立つ前にやったほうが忘れおらず効率的だからです。記憶の再生にもいいです。最後に寝る前に軽くその日にうけた授業のノートをみたり思い出してみましょう。寝る前にやると寝ている間に記憶が定着します。また、次の日のカリキュラムや予定をみておくといいです。これを毎日繰り返します。