kyoneco’s blog

教育、数学、統計といったテーマについて考えていきます

東大理III合格者の勉強法 その2

続きです。

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個別の教科に関してです。

英語、国語、数学といった基礎力があれば、理科は1年程度の追い込みでなんとかなるといっている人が多いです。これは、数学などの基礎的な科目の学習による、いわゆる潜在的な学力向上の効果によって、それと関連する科目もおのずと成績につながるようになると考えられます。この潜在的な学力は、たとえば科目特有の問題の解法を暗記するだけといったことではおそらく上昇しないと考えられます。扱っているテーマを理解し、抽象化して他人に説明できるようにするといった「能力」というべき学習の根源的なところで、潜在的な学力の向上がもたらされるのだと思います。

 

数学について、合格者達の数学の問題に対する向き合い方としては、まずは基本的な問題をしっかり覚える。基礎〜標準問題も同様に学習していく。そして、応用問題を解くことを通して、一見解いたことのない問題であっても、切り口を見つけ出し、その応用問題がどういった基本的な問題のパターンから構成されているかを見抜き、解答していく。これを繰り返すといったことでした。

口々、パターンの組み合わせ、パズルを解くようにということばが聞かれました。使っている教材については、塾のものをベースにして徹底する人が多いようです。

そういったもの以外につかっている教材として、大学への数学をつかっていたという人がほとんどの印象です。解法暗記型のひとでも、数学が得意でありまた好きで趣味的にやっているひとも結局は大学への数学がよいといっていました。

もともと東大数学はパターン学習だけでは困難であることは多くの人がいうことですし、大学への数学といった教材での、一般的な参考書にない切り口での学習がよい効果をもたらすのかもしれません。学コンをして思考力を養ったという人も数人いました。

 

具体的な時系列にそった学習の流れです。ちまたでいわれている、いわゆる王道コースは、トップ難関中高一貫校に入り、鉄緑会に中学1年から入り、それにしっかりついていくように毎日勉強する。英語や数学は早期に高校学習範囲を1週した後に、入試問題を通した演習によって、学習内容の深化させていく。過去問や模試といった志望校を見据えた実践的な訓練をつみ、時間制限や緊張といった要素にも対策しつつ、入試の日を迎えるといった流れになるのでしょう。